グレーゾーンや発達障害のある人には、文章を書くことが苦手な人が多くいます。
グレーゾーンや発達障害のある人は、頭の中で考えたことや頭の中の情報を整理することが苦手です。さらに、同時に複数のことを進めるのが難しいため、頭の中のことを言語化することが難しくなります。それらを言語化できたとしても、文章化するとなると、さらにハードルは上がり、書けないということになってしまいます。
グレーゾーンや発達障害のあるお子さんを育てていると、普段の生活だけで精一杯です。そこに、本人の苦手なことを習い事でさせようという気持ちにはとてもなりませんよね。私もそうでした…。
でも、苦手だからといって、文章を書けなくていいのか。何もしなくてもいいのか…。
それは違いました。グレーゾーンや発達障害のある人でも、文章を書く力は必要だったのです。
私自身、社会人になる発達障害のある息子を育ててきて、文章を書く力の必要性は、常々感じてきました。同じように発達障害のあるお子さんを持つ保護者の話を聞いても、学校に通っているときだけでなく、成長して社会に出てからも、様々な場面で書く力を必要とされるという話を聞きます。グレーゾーンだから、発達障害があるから、文章を書けなくてもいい…ということではありません。グレーゾーンや発達障害のある人でも、書く力はあった方がいいのです。
私自身、作文講師として働く中で、グレーゾーンや発達障害のある生徒さんも増えてきました。その生徒さん達には、個々の能力と発達状況に応じて、保護者と話し合いをしながら指導をしています。その成果として、時間はかかりますが、着実に力がついてきたことを感じられるようになりました。落ち着いて何かに取り組む時間を持てるようになったり、頭の中のことを言葉にできるようになったりと、文章を書くことだけでなく、他にもできるようになったことが出てきました。それは素晴らしいことです。ゆっくりではありますが、グレーゾーンや発達障害のある人も、文章を書く力をつけることはできます。でも、なかなかそのようなことを学べる場所がないので、この度、グレーゾーンや発達障害のある人のための作文教室を開き、グレーゾーンや発達障害のある人、そしてその保護者のお役に立ちたいと思いました。
ご本人や保護者に寄り添い、一緒に進んでいきたいと思っています。